アフレコ
先週に引き続き、自分が担当している音響について書いてみました。
今週はアフレコについてです。
アフレコというのは防音の室内で役者さんの声だけを録音することです。
『Plastic Love Story』でもアフレコをやりました。
こんな感じで。
『Plastic Love Story』に出演している女優さん達です。
左から坂田さん、高橋さん、山脇さん。
なぜアフレコをするのか。
例えば、前回のブログでも書きましたが撮影当日に現場の近くで工事をやっていたりすることがあります。
工事に限らず、現場で何か周りで音が鳴っている時は大きく分けて2つの面で判断します。
技術面と演出面。
まずは技術面ですが、工事のようなうるさい音が鳴っていると役者さんの声が聞こえなくなってしまいます。
マイクで録音しても工事の音ばかりがうるさくて、肝心なセリフが聞こえないという状況です。
そこで対処法の一つとしてアフレコをします。
あとはカメラの構図によってアフレコすることもあります。
遠くから引き画で撮る構図だと、役者さんの近くでセリフを録ろうとすると録音する僕も映像に映ってしまいます(笑)
となるとカメラの映像に映らない位置から録音する必要があるのですが、それではしっかり役者さんの声が録れない。
なのでそのシーンはアフレコ、ということになります。
カメラマンの今野さんとはいつも場所取り争いをしています(笑)
次は演出面。
例えばナレーションのような演出が映画の中である場合、これは絶対にアフレコします。
また作品においてこのシーン、カットで何の音が鳴っているか、工事の場合は工事の音が鳴っているのは演出的にどうかということを監督と相談します。
監督と相談して工事の音がNGとなった。そうすると工事が鳴っていない時間帯、日程で録音する必要があります。
そして次は制作の人たちと撮影スケジュールを相談します。
スケジュール、そしてアフレコにした方が技術的にも演出的にもクオリティが上がる場合にアフレコをするということです。
ここで判断ミスをすると後の整音(音の編集)で痛い目にあいます。
ここに書いたこと以外でも様々な状況でアフレコすることもあります。もちろん僕がまだ知らなくて経験したことがないこともたくさんあるので、これからが楽しみです。
アフレコは役者さんの声だけを録るので、アフレコシーンは環境音だったり足音などの役者さんの動きに伴う音は一から作ります。
これを効果録音と言います。
効果録音については来週あたりにまた書いてみようと思います。
石森剛史