四季『冬』

今野です。
石森君のスタイルをお借りして、僕も先週の内容から引き続き、今日はヴィヴァルディの『冬』です。

前回のブログの中でもこの『冬』が特に好きだと申しましたが、そのきっかけとなった動画があります。

この動画ではなぜか『冬』の冒頭部が途切れており、途中から始まるのですがそれはおいといて。。
この動画の冒頭部では演奏者と、仮面を被った人々が立て続けに映るシークエンスがあります。
見ての通り、一見冬とは一切関わりのないもののようにも見えますが、どこかこの人々の仮面の奥には無表情でこちらを見つめる他人が潜んでいるように思います。
その冷たさと、どんよりと曇ったイタリアのヴェニスの街が、陽気な気分をも飲み込む冬の厳しさを表しているように思いました。
僕にとってはとてもミステリアスで印象的な動画です。

ところで、この『冬』は、映画の中でも使われています。

『劔岳 点の記』(2009日本)
監督:木村大作 
出演:浅野忠信 香川照之 松田龍平 仲村トオル 宮崎あおい 役所広司 など
ご覧の通りキャストの名前を観るだけでも豪華な映画なのですが、内容は明治時代末期、陸軍参謀本部陸地測量部(現在の国土地理院)によって実際に北アルプス・立山連峰で行われた山岳測量プロジェクトを扱っており、日本地図を完成させるために信念と勇気をもって困難な山岳測量に取り組んだ男たちを描いています。
富山県、立山連邦にある標高2999mの山が劔岳(つるぎだけ)です。ヴィヴァルディの『冬』の第1〜3部の曲が作中の随所にちりばめられ、この曲が好きだった自分はとても集中してみることができました。この曲が使われることにより、冬の山岳測量に挑む男達を、黙って見つめる山の存在が感じられます。
もしご覧になる時には、こんな視点もいれて見てみて下さい。
劔岳の予告編も載せておきます。

今野康裕

つるぎ2