『パターソン』は名も無き詩人の物語。主演のアダム・ドライバー(確かに、カイロ・レンも隠れてポエムとか書いてそう)。永瀬正敏さんも日本人の詩人として物語のラストに出てきます。
自分が見終えて出てきた言葉をここに書かせていただきます。
「彼は言葉を通して世界を発見する。
言葉は主張や保存のためにではなく、ただ発見するために存在する」
中川と「装苑」なんてあまりにイメージが結びつかないと思うのですが、是非、お手に取ってもらえましたら幸いです。
本日発売の「すばる」は、俳優の太賀と写真家の阿部裕介とのコラボレーション。
4月に丹沢山に一緒に登山に行った時のことを思い出して、エッセイを書きました。
同世代の友人でもある太賀と阿部ちゃんとの出会いの経緯、彼らについて自分が感じていること、それからこれから僕らの繋がりがどのようになっていくのか、といったことを山登りに絡めながら書いてみました。
題名は『昏い風が吹く』
どのような風が吹いているのか、是非、書店にてお手にとって読んでいただけましたら幸いです。
http://soen.tokyo
http://subaru.shueisha.co.jp
7月29日から岩波ホールで公開される『静かなる情熱 エミリ・ディキンスン』の公開によせてトークイベントをさせていただきます。
自分がエミリの詩と出会ったのは高校時代でした。
〈生前は全く世に名前が出ることがなく、死後、1700篇もの詩が発見された孤高の女性詩人〉という外側の情報に惹かれてのことだったでしょうか。
その存在は聞いたことがあっても実際に彼女の言葉を読まれたことはないという方も多いと思います。
実際に触れてみると静かで繊細なイメージを想起させられる外側の情報より、情熱的で烈しい言葉が炸裂していることに驚かされます。
伝記映画は総集編的になってしまっているものも少なくない中、この映画は短くない時間を描いていながらにして、結晶のような美しさをたたえた完成度になっております。
当日は〈詩が生まれる瞬間〉といった観点から『静かなる情熱 エミリ・ディキンスン』についてお話しできたらと思っております。
下記、公開によせて書かせていただきましたコメントです。
「成長しない、ということの気高さと、
失う、ということの豊かさの狭間で、
彼女が言葉を求めたのではなく、言葉が彼女を求めたのではなかったか。
言葉たちは彼女によって紡がれ、放たれることを待っていた。答えを返してくれない神のように」
(詳細)
http://bookandbeer.com/event/20170729_dickinson/
(予告編)
https://www.youtube.com/watch?v=H_0anOdq8Jg
映画を実際に制作して自身の創作の糧にしようとしているとしか思えない具体性の高い質問にたじたじになってしまいました。
映画学校の学生ばかりなのかと聞いたらそうではない様子。リテラシーというのか、その熱量に感動しました。
上映後のサイン会のような場でもちょっと信じられないくらいの数の観客の方が並んでくださりました。数えられませんでしたが100人はいたとのこと。
束の間の有名人気分…などに浸る間もなく、それぞれの方がサインだけじゃなくて質問や感想をダイレクトにぶつけてきてくれたのでドキドキでした。
僕たちの映画だから、ということよりも、おそらく日本映画や文化、それから日本の若者たちへの関心が大きいんだろうな、と感じました。
当たり前のことですが、台湾に来て、改めて日本もまたアジアの一部なのだということを再認識できたことも自分にとって大きな意味のあることでした。
戻ってきたい大切な場所がまたひとつ増えました。
まあでもそろそろお味噌汁も飲みたいので…明日、帰国いたします!
中川龍太郎

昨夏、撮影いたしました『四月の永い夢』が第39回モスクワ国際映画祭で国際批評家連盟賞とロシア批評家連盟特別表彰をいただきました。
多くのメディアの方にも取り上げていただいたことで、沢山の方から祝福のお言葉をいただき、感謝しております。
成田空港に着いてWiFiが繋がったらびっくりする数のメッセージがきていてびっくりしました。笑
それだけ多くの方の応援と支えがあってのことだと改めて感じました(友人たちからは主に顔つきがいやらしいとかインサイダー取引してそうな顔とか散々な言われようでしたが)
賞をいただいても自分自身も、自分のこれからやることも、特に変わることはありませんので、これまで通り色んな方にご迷惑をおかけしながら一歩ずつ次の映画に向けて準備してまいります。
4日からは台北映画祭に行ってまいります。
日本での公開は来春を予定しておりますが、引き続き温かい眼差しで見守っていただけましたら幸いです!
今回の賞は、主演の朝倉あきさんをはじめ、未熟な演出の中で粘り強く付き合ってくださった素晴らしい俳優陣の皆様、ほとんどが20代のスタッフの仲間たち、素晴らしい音楽を作り、演奏してくださった皆様、国立市や富山県朝日町などロケ地で協力してくださった皆様、すべての『四月の永い夢』に関わってくださった皆様に捧げられるものです。
もう中川組は嫌だと思ってる方も、懲りずにこれからも宜しくお願い申し上げます!笑
(画像、荒くて申し訳ありません。笑)
前回は、自分が何かを教えることを期待されているのではないかという大きな不安の中で当日を迎えましたが、逆に自分のほうが多くのことを参加者の全員の方から学ばせていただきました。とても楽しい時間でしたし、こういった営みを継続していくことには意味があるのではないかと思うことができました。
素晴らしい演出家の方は沢山おりますので、僕のワークショップでは、演技力の向上ということよりも、「演じるとはどういう営みであるか」についての対話や問いかけを大切にしたものにしたいと思っております。
前回の唯一残念だったことは時間が短かったことです。
ようやくそれぞれの方の個性などを掴み、みんな仲良くなれたかな、というタイミングで終わってしまうのはとても残念でした。今回はその点、二日にわたってできますので、もうすこし踏み込んだところまでできたらいいな、なんて思っております。
前回参加してくださった方も、初めての方も、演技経験のない方も誰でも大歓迎です。
日程など詳細は下記に掲載されております。
また素晴らしい出会いがあることを楽しみにしております!
http://eiga24ku-school.jp/news/2017/06/7824.html