【メディア掲載】「CINRA」で『四月の永い夢』特集記事が掲載されました

カルチャー情報サイト「CINRA.NET」に、『四月の永い夢』特集が前後編にわたって掲載されました。


前編:詩人から転身した映画監督・中川龍太郎に、太賀らの証言で迫る

前編の記事では、中川龍太郎監督と親交の深い俳優の太賀さん、東京国際映画祭プログラミング・ディレクターの矢田部吉彦さんに、「中川監督とはどんな人物か」を尋ねたインタビューを敢行。その回答を引用しながら中川映画を分析しています。

前作『走れ、絶望に追いつかれない速さで』に主演した太賀さんは、中川監督と初めて出会ったときのことを振り返りながら、その印象と映画監督としての魅力について、こう語っています。

太賀:(中川監督との出会いは)友人の紹介で、渋谷にある居酒屋でした。情熱的な人だと思いました。その熱さに作家としての知性と、表現者としての切実さを感じたのを覚えています。いま思うと、当時の中川君は人生のどん底にいたんじゃないかと思います。この人の力になりたい。そう思わせる何かがありました。

また、東京国際映画祭で史上最年少で2年連続選出するなど、その才能にいち早く注目したプログラミングディレクターの矢田部さんは、中川龍太郎監督作品の魅力を、次のように語っています。

矢田部:(中川映画のいちばんの魅力は)感情の描き方がフェアであるところです。激情を描いても過剰にならず、死を描いてもドラマチックになり過ぎず、ニヒルにもなり過ぎない。ドラマをしっかりと構成した上で、いたずらに観客の感情をあおり過ぎず、余韻を残し、リアル感を出す。この感性が見事だと思います。リアルな余韻は詩情にもつながり、詩人でもある中川監督ならではと言えるかもしれません。

後編:映画『四月の永い夢』レビュー 朝倉あきの儚げな演技が冴える

後編の記事では、朝倉あきさんの過去の出演作や石井裕也監督の『映画 夜空はいつでも最高密度の青色だ』(2017年)などを引用しながら、『四月の永い夢』を流れる「詩情」について分析しています。池松壮亮さんが本作に寄せたコメント「終わりゆく平成も捨てたもんじゃない。」は、本編を鑑賞した後だとより深く染みわたるのではないでしょうか。

ぜひご一読ください。