maishintaについて
maishintaは、『Plastic Love Story』(2012)と『走れ、絶望に追いつかれない速さで』(2015)で音楽を担当してくれた酒本信太くんとLalitpurの向田麻衣さんが出会って生まれたユニットです。
ふたりは、いま埼玉県の仏子を拠点に世界中を旅しながら音楽をつくりつづけています。
彼らがこの12月1日にふたつ目のアルバム『Circulation』を発表します。
ふたりの生み出す音はまるで透きとおる玉のようです。
クオリティの高さはもちろんですが、maishintaの素晴らしさの源は、その柔らかな創作への向き合い方そのものにあるような気がしています。
〈社会実業家〉といったイメージでメディアに取り上げられることも多かった麻衣さんが「音楽をつくり、うたう」ことに少なからず驚く方も多かったと聞きます。
僕自身は麻衣さんの性分のようなものを知っていたので、なんとなく「麻衣さんらしいな」と思ったかたわら、「僕にはできないな」と感じたのも事実です。
そう感じたのは自分の中でどことなしに音楽を作ったり歌ったりすることを特別なことのように感じていたからなのかもしれません。
でも、思えば、歌い手であることは人間にとって当たり前のことなのではないでしょうか。
いちいち〈歌手〉とか〈アーティスト〉と大袈裟に考えるほうが不健全なような気もします。
人はだれしもが生まれながらにして詩人であり、歌い手であるはずです。
そういう、つくることの開かれた可能性をふたりの存在は僕に改めて教えてくれます。
ふたりの音楽は、呼吸するようにその場、その瞬間で感じたものを取り込んでいっているイメージがあります。
呼吸とはすなわち、詩であり、歌なのではないでしょうか。
まずはホームページで『love is』『HOHOEMI』と2曲聴くことができますので、是非聴いて頂けましたら幸いです。