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First Summer

ここ最近、暑い日が続いていますね。

きっともうじき梅雨が来て、あっという間に夏になるんでしょうね。

夏になると思い出します。映画を始めた最初の夏、僕が初めて壁にぶち当たったあの夏を。Tokyo New Cinema第一回作品『Last Good Bye』です。

『Last Good Bye』について知っている人は少ないかもしれませんね。あまり観る機会もないでしょうけど、少しだけお話させて下さい。

この作品、僕にとっては映画出演の2作品目だったのですが、それが役作りから撮影中までずっと苦戦続きだったんです。役柄としては強盗で、お金持ちの家の娘を人質に取って身代金を要求して、そのお金でアメリカへ渡って一発当てて「World is mine !」と叫びたいなんて考えているようなキャラクターだったのですが、これがなかなか難しくて。最近のTokyo New Cinema作品には珍しい台詞劇で、とにかく叫んだり怒鳴ったりと、感情がオープンでダイレクトな作品だったんです。それが当時の僕にはとても難しくて大変だった。

とにかく、僕にとってこの作品は特別で、きっと一生忘れることはないのだろうと思います。僕が役を演じるとき、役者として作品に向き合うときはいつだってこの作品が過ります。この作品から始まったと言っても過言ではない僕の俳優活動。一体どこまで走ることができるのか、たとえどんなにゆっくりだったとしても、最後まで突っ走ることをやめたくない。

TNC藤村