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作品を振り返る①

今日は、Tokyo New Cinema第4回制作作品『tapestry』の話をしたいと思います。

この作品は、2年前のちょうどいま頃に上映会を開催して、皆様にお披露目することができました。この作品からファンになって下さった方々も少なくないのかと思います。当時は、特に女性の方々からの支持が多かったように思います。

本作は、20分の短編作品で、台詞がほとんどありません。シーンのほとんどで音楽が流れており、サティの『あなたがほしい』とともに綴られる詩のような作品です。そのことから「映像詩」と換喩されたりもしました。間違いなく、当時のTokyo New Cinemaの世界観を全面に纏った作品と言えると思います。

僕たちはこの作品で初めて賞を貰いました。第5回小田原映画祭で西さがみ賞を受賞。あの日のあの瞬間は今でも覚えています。小田原コロナシネマワールドという大きな映画館、そして今まで上映したこともないような大きなスクリーンで上映された。やっぱり嬉しかったですね。たくさんの人に観ていただけて、賞までいただけて。

賞をいただけることはとても嬉しいことです。でもいまは、たくさんの人に観ていただけることの方が嬉しい気がします。それをモチベーションに頑張れているというか。

当然のことですが僕たちは、賞をもらうために作品を作っているわけではありませんからね。やっぱり、たくさんの人に観てもらえて、なにか少しでも、ほんの少しでも観た人の心に引っかかるものを作れたらって思っています。それがその人にとって良いように作用したら最高ですよね。そんな夢を抱きつつも僕たちはこの先も作品を作り続けていくのだと思います。

TNC藤村