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作品が届く

秋、なのか、もう冬なのでしょうか。寒いです。僕は最近では、コートが手放せません。茶色い温かいコート。

作品を撮っているとき。それはまさに作品が少しずつ形になって行く瞬間であり、やっぱりこの行程は興奮します。映像って偉大です。いつまでも残ります。いつまでもほぼ確実に残ります。

では、記憶はどうでしょう。記憶は映像に比べて曖昧なもの。不確かであり儚いもの。でもどうしてでしょう。記憶はその不確か性の中に魅力があるように思うのです。

映画の永続性と記憶の耐久性を比べるわけではないし比べられるものではないけれど、記憶はその個人によって残る濃さが違います。人それぞれ重要度の違いによってか残り方が違います。共感なのか憧憬なのか、原因も様々で、強く刻まれる瞬間があってもいずれは薄れていってしまう哀しくも煌めくもの。この弱さの中でどれだけ生きられるかという意味で、記憶には面白さがあるように思うのです。不安定な場所で生きてこそ本物なのかなと思うのです。

『Plastic Love Story』

お披露目できる日が一歩ずつ着実に近づいてきております。人間も、映画も、記憶の中でどれだけ長く生きられるかが肝心です。

この記事も、僕の一部を発信している以上 、少しでも何か残せれば良いのですが。

藤村駿