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『Calling』について

こんにちは、会長の木ノ内です。

Calling』DVDの発売が間近になりました。Amazonでの予約が現在可能で、2日後の9月27日にて全国で発売されます。

ちなみに私はこのDVDを50枚頼みました。自宅に50枚のDVDが届く事を想像するとシュールですが、沢山の人に見せたいと思える作品です。発売前ということなので、今回は『Calling』についてお話をします。

calling_English_Poster

藤村駿主演、中川龍太郎監督脚本のTokyo New Cinema 第5作であるこの作品は、2012に公開されました。50分の台詞がほとんどない作品で、全てを表情や行動などで表現するため主演の藤村さんはこの役作りのために肉体労働系のアルバイトを数ヶ月間体験したそうです。

舞台は夏の新宿、寡黙なラブストーリー。しかし恋愛の描写はほとんどなく、精神的な障害を負った妻への自己犠牲を表現した作品です。この映画は学生を中心に制作されたため、粗削りな面も多く、実験的な要素が強かったこともあってか、日本の映画祭ではあまり芳しい評価をいただくことはできませんでした。しかし、飾っていない独特な雰囲気と中川監督の若く新しい美的手法はアメリカで高く評価され、ボストン国際映画祭では最優秀撮影賞をいただき、来月はニューヨークのタイムズスクエアの劇場にて上映されることも決定致しました。

アメリカで予想外の高い評価を頂いた作品ですが、国内でのロードショー時も「いままで見た映画で一番良かった」「この映画で映画の素晴らしさを再認識した」と評価する声もあり、賛否両論の野心ある作品となっております。

中川監督新作の『Plastic Love Story』とはまったく異なった雰囲気の作品ですが、『Calling』の失敗を怖れない挑戦的なスタンスは Tokyo New Cinema という団体を表す作品だと思います。

Tokyo New Cinema 会長 木ノ内輝