株式会社 Tokyo New Cinema

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色気

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こんにちは。火曜担当の武笠です。

最近、大学構内を歩いていると、新品のスーツを身にまとった就活生がスマホを片手に忙しなく歩いている光景をよく目にします。会社説明会が本格化するこの時節、大学近くのオフィス街や駅は企業人で普段以上に慌ただしくなっているように感じられます。

そんな御多分に洩れず、僕も、隣の手帳を見返してみると、11月はほとんど『Plastic Love Story』の公開に向けて動いていました。先月のものと見比べてみても、その量は倍以上になるかと思います。一足早い師走を駆け抜けているような11月でした。

映像はほぼ完成していて、僕はおおよそ目を通していますが、そのなかで感じたことは『Plastic Love Story』には強烈な“色気”を感じるということです。

色気。

これは映画が表現すべき最も重要なテーマの一つではないかと思っています。今日は“色気”ということについて少し考えてみたいと思います。

「色気」って言葉、どんな場面で使う言葉でしょうか?

「あの人の色気はすごい」というように、多くの場合、人に対して、何かそそられるものに出くわしたときに使用される言葉だと思います。しかし、「この建物には色気を感じる」とか「この銃には色気を感じる」とか、物に対しても使われる言葉です。

じゃあ、「色気」の意味って何なんだろうと考えてみますと、僕の小さい頭で絞り出した言葉で表せば、人や物を含めた全てのモノに垣間見る本質的な部分、そいつが持っている精神性とでも言うべき何か、だと思います。そいつに内在していて、そこから湧出している何か。こんな仰々しいことを書いて段々自分でも何を言っているのか不安になってきましたが、こんな抽象語でしか説明がつかないのですから、きっと言葉で理解すべきものではないのかもしれません。それでも、僕たちは普段出くわす人や物に対して、色気を感じます。

それはおそらく言葉で理解するよりもまず、感覚で感じ取っているのでしょう。感性による第一印象というか、そういう類のものに訴えかけるのが「色気」ということなのだと思います。

銃には銃の、電車には電車の、色気があり、ミリオタとか鉄道オタクとか呼ばれる人たちが熱中するのも、そうしたフェチズムがあるからでしょう。それに色気は何も人工物だけに存在するものでもないと僕は思います。水には水の、風には風の、火には火の、土には土の、つまり自然物にも色気はあるはずです。

最近、アニメーション監督である押井守監督の『天使のたまご』(1985年、OVA作品)、『イノセンス』(2004年)、『スカイ・クロラ』(2008年)の3作品を見返したのですが、どの作品も色気がビンビンに感じられました。『天使のたまご』では、水道から水が滴る音に、『イノセンス』『スカイ・クロラ』では、銃器や戦闘機のデザインのディテールさとそれら重機から弾が射出される乾いた音に、瑞々しい色気が溢れていましたし、戦闘機の知識などない僕から見ても匂い立つものはありました。無から有をつくらざるを得ないアニメーションだからこその、絵と音に対する制作者の真摯なこだわりがそうさせたのだと思います。

この「こだわり」はTokyo New Cinemaのメンバーにも共通して言えることです。撮影部の今野君は、自然風景や物、役者が醸し出す色気を映像に切り取ることにこだわり、録音部の石森君は、それらから聞こえてくる音の色気を聴き取ることにこだわり、ダンスの振付をする中村さんは、運動それ自体のもつ色気を身体を借りて表現することにこだわっているのだと思います。「そんなこと思ってねーよ」と各々の独自の持論で反論されそうな気もしますが、僕が現場でそばにいて彼らに対して思ったことです。

『Plastic Love Story』は、そうした彼らの感じた色気を強烈に放っている作品です。他に例を見ない、独特の匂いがあります。

そうした色気を、皆様の目と耳と鼻と、とにかく全身にお届けしたくてうずうずしています。

近々、詳細をお届けできると思いますが、もう少々お待ちください。

 

武笠恭太

 

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