録音
土曜日担当の石森です。
今日はちょっと自分が担当している録音について書いてみました。
僕は『Plastic Love Story』から初めて録音を担当したのですが、皆さんは映画の音響さんがどのような仕事をしているのか、どのくらいご存知でしょうか?僕は先輩が現場でやっいる姿を見ていて、長い棒の先端にマイクを付けて、そのマイクを録りたい音の方向に向けてレコーダーに録音しているというのはなんとなく知っていました。
こんな感じで
奥で長い棒を持っている坊主が僕です。
この長い棒はブームと言うのですが、録音は主に現場でこのブームをどの位置から指してどう動かすかが重要になります。
いざ現場で自分が担当してみると難しいことばかりでした。
マイクはいろんな音を録ってしまいます。室内だと冷蔵庫の音、部屋の中での撮影でも外の音が入ってしまいます。車、バイク、飛行機、通行人の声、犬の鳴き声、遠くで工事をやっていればその音も入ってしまいます。外での撮影ではより環境音の音量は大きくなり、夏なんかは蝉がジャンジャン鳴いています。
なので現場では今、何の音が鳴っているか神経質に聞いて、どのタイミングで録音できるのかということを判断し、監督に伝える必要があります。
「録音OKです!」あるいは「もう少し待って下さい!」、「今、大丈夫です!」と大きな声で言います。
最初の頃はこの判断が難しく、判断が遅いとよく監督に怒られました。
『Plastic Love Story』で屋上のシーンがあるのですが、その日の撮影の時はヘリコプターが10分おきに来る状況でした。
ヘリコプターって速度が遅いので近づいてきてるのか、離れていってるのか分かりづらいんですよね(笑)
なので悩んでいると監督に「どっちだ!!」と怒られていました。
季節やロケ地によって環境音が違う。これは録音をやっていて面白いです。
新宿のような都心の日もあれば、商店街、富山県、川や海。
本番中は役者さんの動き、カメラマンの動き、照明の位置、カット割によって自分がどう動いて音を録るか変わってきます。
役者さんの動きはテイクごとに微妙に違い、それによってカメラマンの動きが変わるので、当然録音の動きも変わります。
あと照明があるので、長いブームは位置によっては影が出てしまうのでどうやって指すか模索します。
それぞれの役職の技術、感情が呼応しあって動く本番中は毎回、緊張感とスリルがあって面白いです。
今日はとりあえずここまでにしますがまた機会があれば、アフレコ、効果録音、整音とかについても書いてみようと思います。
それでは来週もよろしくお願い致します。
石森剛史