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作品を振り返る②

今日は、Tokyo New Cinema第5回制作作品『Calling』の話をしたいと思います。

この作品は、僕たちが初めてロードショー上映した作品です。そして、今春少し話題となりましたが、初の海外映画祭(Boston International Film Festival 2013 )入賞(Indie Soul Best Cinematography Award)も果たすことができました。制作していたのは2011年の夏ですが、今に至るまで何かと話題に挙る息の長い作品になりました。

『Calling』は、信念の物語だと思います。想いを貫く物語。愛することは即ち信じることで、「どうしたいか」ではなく「どうするべきか」ということを胸に、状況がどうであれ真っ直ぐに前を見て生きていこうとする男の姿が描かれていると思います。それは、原発事故があったり、情勢が安定しなかったりする日本に対する一つのメッセージとも言えるのかもしれません。

いろいろな意味で、僕にとっては一番思い入れがあり、印象的な作品です。

今作は、非常に小さな制作体制で作ったということも僕たちにとっては新鮮でした。映画制作を開始した最初の最初と同じくらいの規模で取り組み、制作費も抑えに抑え、原点回帰したような気持ちで制作しました。

個人的には、その年の夏はTokyo New Cinemaの『Calling』と別の団体の作品と、2役を抱えて挑んだ夏だったので、役作りや演じ分けに苦悩した思い出があります。でも結果、こんなにも多くの方々に観ていただけたわけですし、本当に良かったです。

『Calling』は、ロードショー上映の前にも何回か上映したことがあったので、恐らく今までで一番多くの方々に観ていただけた作品なのではないかと思います。映画祭のこともあり、嬉しいことに「また観たい」との声を多数いただきました。現在、その声にお応えするべく、一つのプロジェクトが進行中ですのでどうぞご期待下さい。

『Calling』に関しては、またいずれ書こうと思います。書きたいことや伝えたいことがまだまだあります。でも今日はこのあたりで。

藤村駿