へその緒
遅くなりました。
今日も大野一雄さんについて書こうと思ったのですが、
あまりにもまとまらなかったので、また次回にさせて頂きますねw
んー、やっぱり彼に関しては、どうしても止まらなくなってしまう。
今日は踊ること、ダンサーであることについてお話しします。
私が踊りを見るときに目が行くところは、必ず表情です。
うそがあるかどうか、どうしてもそこを見てしまいます。
正直、私の中で、振り付けはそこまで重視していないんですよね笑
もちろん素晴らしい振り付けは素晴らしい作品になるけれど、
それ以前にどんな振り付けでも、踊り手自身にうそがなければ、
どんな踊りも人に感動を与えると思うのです。
だって、子供たちの踊りって、美しい。
それはやはり、子供たち自身にうそがないからなんだと思います。
彼らは心で踊っている。
私は妊娠をしたことがないからまだ分からないけれど、
この世でもっとも美しい踊りが出来るのは、胎児だと思う。
だから私は、素晴らしいダンサーに出会ったら、この人にはへその緒がついてると感じるんです。
母親のお腹の中で胎児はビクッとかドンドンとかいろんな動きをします。
まさにダンスです。
人間が初めて無心に踊る瞬間だと思う。
ただ
人生でほんの数回だと思うんです。
うそのない、胎児のような踊りが出来るのは。
私がへその緒を感じたダンサーは大野一雄さんと、私の恩師、旗野恵美先生です。
彼らは延々とへその緒が続いていて、遠くで遠くでつながっていました。
上手い下手の世界ではなくて、ただただ圧倒されるんです。
表情、とくに目。
目線の先にあるもの。
ダンサーの見るものと観客の見るものが一致しなくていい
ただ、見たいと思わせられるかだと思うのです。
それが彼らにはあります。
いつだって彼らの目になりたい。
今は到底無理だとしても、うそだけはないものをつくり続けたいですね。
中村萌乃