電気水道ガスなしで生きる方法
こんにちは、会長の木ノ内です。
9月1日は防災の日でしたが、皆様はどうお過ごしでしたか。ちょうど90年前の1923年9月1日に日本は関東大震災に見舞われ、その教訓を忘れないために震災の訓練日として9月1日が防災の日に設定されたそうです。
石森さんの記事にも紹介された宮崎駿の『風立ちぬ』にも関東大震災の様子が描かれていました。日本に住む限り私たちは大きな地震に備え、訓練し準備しなければなりません。そこで私の家は8/31から9/1にかけての24時間、電気水道ガスを止めてみました。ブレイカーを切り、水道とガスの元栓を締めて一日を過ごし、なかなか気付く事も多かったので以下経験を綴ります。
8月31日 13時
- 事前に家族に防災訓練をする旨の連絡を入れ、24時間電気ガス水道を止める、家が静かになる
- 熱中症注意報が出ているので風を通さないと暑い、
家中の窓を開けるが結構風が入り紙が舞う、家を片付ける - 冷蔵庫も止まったので、氷を溶ける前に魔法瓶に入れる、必要以上にドアは開けない
- 事前に用意した多数の水が入ったペットボトルを確認する
- Wifiと固定電話が使えず、携帯のメールで家族に再度連絡
- カセットコンロを設置、火が付くのを確認
- 非常食の位置を確認、しかし冷蔵庫の残り物を食べる事を優先する。
ご飯が残っていたので、カセットコンロで温める。 オカズは冷蔵庫にあった梅、納豆、きんぴらゴボウ、生卵。 お皿にラップを敷いて上に載せる。湯を沸かし、 インスタントの味噌汁を作る。伝統的な日本食が便利。余ったお湯は魔法瓶に入れ、食べ終わったらラップを皿から剥がして捨てる。 お箸と味噌汁のお椀は軽く水で流して洗う。 - 一回しか流せないのでトイレの取手にテープを貼る、水のペットボトルを横に設置
- インターネットが繋がらないので仕事が出来ない
19時
- 外が急に暗くなる、ランタンを点ける、夕刊も読める
- 夕食はコンロを使った料理、最近の冷蔵庫の保温機能は良く、
開始6時間で殆ど冷蔵庫の温度に変化なし。保存用の白米の賞味期限は1年以上過ぎており、味が悪かった。 チャーハンなどにして火を通すのがいいかもしれない
22時
- たらいに水を溜めてからだを洗う、2-3L有れば十分、夏場なので常温の水は温めなくても気持ちがいい
- 防虫剤を部屋に撒き、網戸で寝る
- 魔法瓶の氷がまだ完全に残っていたので飲用水をペットボトルから
入れる、冷たくて美味い - 夜は薄着でも寝苦しく、団扇が役に立つ
9月1日 10時
- 朝起きる、熱帯夜であまり眠れなかった
- ヒゲを剃る、思った以上に水が必要で1L使う
12時
- 冷蔵庫の残り物で昼食、冷蔵庫の温度が常温に近くなったが、腐敗物はなし、アイスは全滅
13時
- 携帯の電池が切れる
- 終了、家族で報告会をする
結論から言うと、水道が使えなかったのが一番厳しかったです。飲料水を含めた水の確保が最も重要だという事がわかりました。特に印象的だったのは、水洗トイレを流すごとに5-15Lほどペットボトルで充填する必要があった事です。長期的に水道が止まった場合はトイレを使わないようにするか、下手をするとトイレのために飲用水の量を減らしてしまいます。水の必要がない簡易トイレを備える必要があるようです。
また、電気が使えなかったのは思ったよりも不便ではありませんでした。クーラーが使えず夜は寝苦しかったですが、LEDランタンを複数用意していたので夜でも本が読め、持ち運びも楽でした。電池には注意する必要があります。意外に冷蔵庫の保温機能にも驚かされました。
ガスはカセットコンロがあったのでまったく不自由を感じませんでした。夏場で、暖房やお湯が不要だったのが大きいかも知れません。
まとめると、夏の時期に家で災害にあった場合、
- 生活水準を保つには水が1人1日20L必要
- 簡易トイレを用意する必要が有り
- 白米よりもアルファ化米か乾麺の蓄えが必要、おかずは冷蔵庫の和食が保存も効き、調理する必要がないので便利
- カセットコンロは予備のボンベと共に準備
- 魔法瓶とLEDランタンが役立つ
- バッテリーの予備は忘れず、携帯も電池式充電器があれば長期戦に役立つ
備えあれば憂いなしですが、実際の災害時は友人や家族の絆と助け合いが最も重要なのだと思います。今回の訓練で備えが不十分な事を自覚しましたが、人の繋がりの重要性と普段の生活の幸せを再認識しました。
Tokyo New Cinema 会長 木ノ内輝